100m、200m等の短距離の世界ランキング上位には、黒人選手の名前しかありません。
特にウサイン・ボルトをはじめとしたジャマイカの選手の強さは飛び抜けています!
一体、何故黒人選手、ジャマイカの選手は、こんなにも圧倒的な速さを身につけることができるのでしょうか?
日本人では勝つことは可能なのでしょうか?
そんな疑問の答えをまとめてみました。
(ライター: アール)
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黒人選手が何故速いのか?
これは、様々な研究がなされているようですが、人類の進化の過程において、アフリカ地域の黒人種では、その過酷な環境下から、走るのに最適な骨格、筋肉が形作られていったという説が有力です。
トレーニングでどうになかなるという話ではなく、生まれ持った体の特質なので、黒人選手以外では太刀打ちできないというのが現状のようです。
さらに、同じアフリカでも、
・西アフリカは、標高が低く過酷な暑さが特徴
というように環境が違います。
この環境の違いのために、同じ走る能力でも、
だからこそ、ケニア、エチオピア、タンザニアといった東アフリカは、マラソンなどの長距離に強いのです。しかし、ケニアの選手が短距離で上位に入った話は聞いたことがありません。
反対に、セネガル、ナイジェリア、カメルーンといった西アフリカでは、短距離に強く、同様にこれらの国が長距離で上位に入るのは難しいです。
ここで、あれ?と思う方もいると思います。
そうです!100m世界ランキングの上位を席巻しているジャマイカはアフリカの国ではないのです。
一体どういうことでしょうか?
なぜジャマイカの選手が圧倒的に速いのか?
ジャマイカは、アメリカ合衆国の南側、カリブ海にある島国です。全然アフリカではありません。
では、ジャマイカの強さの秘密は何なのでしょうか?
大きな理由は2つです。
1.西アフリカの血を引いている
現在では考えられませんが、当時の時代背景では当たり前のように、アフリカから黒人奴隷を連れてくるという行為が行われていました。
ジャマイカは16世紀にスペイン領となり、スペインは労働力を確保するために、西アフリカから多くの黒人住民を連れてきたという歴史があります。
今では、ジャマイカの先住民は疫病等で絶滅してしまい、ジャマイカ国民の多くは、短距離にめっぽう強い西アフリカから来た黒人の子孫で占められています。
2.アメリカ合衆国との近さ
アメリカとジャマイカは飛行機で2時間程度という距離的な近さもあり、行き来しやすいです。
陸上の短距離は、かつてアメリカ合衆国が圧倒的な強さを誇っていたこともあり、最新の優れたトレーニング手法を学ぶことができました。
そこで、当時のアメリカ人が距離的に近く、かつ、肉体的優位性を持つジャマイカから多くの選手をスカウトしたのです。
そして、アメリカで多くを学んだ人達がジャマイカに戻り、国内での育成がスムーズにできるようになり、さらに国内での陸上人気もそれを後押したという事もあり、100m 10秒を切るジャマイカ選手が増えてきたのでしょう。
まとめれば、ジャマイカの選手が100mをはじめとした短距離に強い理由は、
・短距離のトップアスリートを生み出す育成システムが整ってきたこと
があげられるでしょう。
まとめ。日本人は勝てないのか?
正直なところ、純粋な日本人が、ジャマイカ人に勝つのは、ほぼ不可能かと思われます。
これまでの100mの記録からもそれが証明されていて、100mで10秒を切った黒人以外の選手は、わずか6人しかいないのです。
今のところ、黒人以外での最速選手は、フランスのクリストフ・ルメートル選手。
100mの記録は9秒92で、これは世界43位の記録に過ぎません。
遺伝子的に勝つのがほぼ不可能なのは悲しいところです。
しかし、最近は日本でも、サニブラウンといった黒人の血をひくハーフの選手も増えてきました。
もしかして、近い将来、そういったハーフの日本人選手が、世界10位以内に入れる日がくるかもしれませんね!
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