手軽に始められる運動といえば、『ジョギング』が真っ先に浮かぶ人が多いのではないでしょうか?

それもそのはず、2016年にジョギングやランニングをした推計人口は893万人にも登ります(笹川スポーツ財団の調査より)。

ランナー人口は2000年代前半から徐々に増えてきました。ピークは2012年でしたが、少し減った今でもまだ約900万人もいます。

フルマラソンといえば、ひと昔前は、陸上選手がするものというような印象がありましたが、ランナー人口の増加に伴い、普通の市民が参加するフルマラソン大会も随分と増えてきました。

さて、ランナー人口の増加により、日本のフルマラソンの記録はどうなったのでしょうか?そして、日本人の記録は世界の中ではどれくらいなのでしょうか?

それでは、まずはマラソンの世界記録からご紹介します。

(ライター: アール)

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男子マラソンの世界ランキング

順位 記録 日付 名前 所属
1 2時間
02分57秒
2014年
9月28日
デニス・
キプルト・
キメット
ケニア
2 2時間
03分03秒
2016年
9月25日
ケネニサ・
ベケレ
エチオピア
3 2時間
03分05秒
2016年
4月24日
エリウド・
キプチョゲ
ケニア
4 2時間
03分13秒
2014年
9月28日
エマニュエル・
キプチルチル・
ムタイ
ケニア
2016年
9月25日
ウィルソン・
キプサング・
キプロティチ
ケニア
6 2時間
03分38秒
2011年
9月25日
パトリック・
マカウ・
ムショキ
ケニア
7 2時間
03分46秒
2017年
9月24日
グェ・
アドラ
エチオピア
8 2時間
03分51秒
2016年
4月24日
スタンリー・
キプレチング・
ビウォット
ケニア
9 2時間
03分59秒
2008年
9月28日
ハイレ・
ゲブレセラシェ
エチオピア
10 2時間
04分10秒
2018年
1月26日
モシネト・
ゲレメウ
エチオピア

※参照元:国際陸上競技連盟(IAAF)のWebサイト
https://www.iaaf.org/records/toplists/road-running/marathon/outdoor/men/senior

世界最速のマラソンランナーは?

2時間02分57秒を記録した、デニス・キプルト・キメット選手です。

キメット選手は、農家で働いていて競技を始めたのが遅く、初のフルマラソンが2012年ベルリンマラソン。当時すでに28歳でしたが、いきなり世界歴代5位の記録をマークして2位入賞。そして2年後の2014年、再びベルリンマラソンに出場、見事世界記録を更新するに至りました。

素晴らしい才能の持ち主だったのですね。もっと早く競技を始めていたらどうなっていたか?気になるところです。

ところで、世界ランキング10位まで紹介させていただきましたが、残念ながら日本人はこの中にはいませんでした。それどころか、10位以内は、ケニアとエチオピアのみで占められています。これは一体どういう事でしょうか?

ケニア、エチオピアともに東アフリカに位置しており、標高が高く涼しい気候が特徴です。高地のため空気が薄い中で心肺機能が高められ、また日常的に長距離を走って移動する生活習慣が身についています。この環境が何代も何代も続き、長距離に最適な身体が作られていったとの説があります。

つまり、東アフリカ諸国の人々は、長距離に強い遺伝子を持っているからということが理由のひとつでしょう。

世界最速のマラソン記録!どれ程すごいのか?

さて、この2時間02分57秒というタイム。一般の人々にとって、マラソンの記録を聞いて、それがどれ程すごい事なのかをイメージできますでしょうか?

速さでいえば、時速20.59キロで走り続ければこの記録を達成できます。

速度がピンとこない人であれば、別のたとえをしてみましょう。

50m走であれば、みなさん学生の頃によく測っていたのではないでしょうか?

この世界記録を出すために50mを何秒で走る必要があるかといいますと8秒74です。これは、大体小学6年生男子の平均よりほんの少し遅いくらい。つまり、平均的な小学校6年生の男の子が、42.195キロを常に全力疾走している状態と同じです。

女性でいえば14歳位で50m走のピークを迎えるのですが、その平均タイムが8秒76。平均的な成人女性は8秒台では走れません。つまり、平均的な成人女性が全力疾走するより常に速いペースで42.195キロを走る必要があります。

では、次に日本ランキングを紹介いたします。
日本人の記録は、世界の中ではどの位に位置するのでしょうか?

男子マラソンの日本ランキング

順位 記録 日付 名前 世界
順位
1 2時間
06分11秒
2018年
2月25日
設楽悠太 90
2 2時間
06分16秒
2002年
10月13日
高岡寿成 102
3 2時間
06分51秒
2000年
12月3日
藤田敦史 165
4 2時間
06分54秒
2018年
2月25日
井上大仁 173
5 2時間
06分57秒
1999年
9月26日
犬伏孝行 180
6 2時間
07分13秒
2007年
12月2日
佐藤敦之 214
7 2時間
07分19秒
2017年
12月3日
大迫傑 226
8 2時間
07分35秒
1986年
10月19日
児玉泰介 260
9 2時間
07分39秒
2015年
2月22日
今井正人 270
10 2時間
07分40秒
1988年
10月16日
谷口浩美 273

日本人最速のマラソンランナーは、
2時間06分11秒を記録した、設楽悠太選手です。

世界記録との差は『4分24秒』。結構開きがありますね。それもそのはずで、日本人では1位の記録ですが、世界の中では90位にとどまります。

実は、2002年までは、日本と世界の差はさほどありませんでした。

現在日本人2位の記録を持っている高岡寿成選手が、2時間06分16秒という当時の日本新を記録した2002年。この年、ハーリド・ハヌーシ選手が世界記録を2時間5分38秒に塗り替えました。つまり、この時点で日本記録と世界記録との差は38秒。

しかし、その後、世界記録は次々に更新されていき、世界ランキングトップ10は、ほぼ全て2010年以降に更新されたものです。

一方で日本はというと、その間15年、一度も記録を塗りかえられず、世界との差は開く一方となりました。

奮起を促したい日本実業団陸上競技連は、2015年に、マラソンの日本記録を更新した選手に1億円の報奨金を出すと発表。

その後、2018年2月25日に設楽悠太選手が日本新記録を5秒更新しました。

とはいえ、世界との差はまださほど縮まってはおりません。さて、この日本マラソン界が、世界レベルで復活する日はいつになるのでしょうか?

日本陸上の短距離界では、つい先日17年ぶりに、100mの記録が更新されました。日本人初の9秒台が出たのです。それだけではありません、今の日本短距離界は、今にも100m 9秒台を出せそうな期待の若手がたくさんいます。

短距離界が盛り上がりを見せている中、長距離界も盛り返してきて、東京オリンピックまでには日本陸上界全体を明るくして欲しいですね!

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