ピッチャーの「球速」は、野球の話題の中でも、いつ見てもワクワクするテーマですよね!
球場でスピードガンに 160km/h以上 が表示された瞬間、スタンド全体が「おおおっ!」とどよめく、あの感じ…。

この記事では、

  • 日本プロ野球(NPB)での最速投手
  • 世界最速ピッチャー(MLB・ギネス記録)
  • それに迫る怪物級ピッチャーたち
  • 女性投手の球速事情

まで、球速にまつわる「最速」情報をまとめています。

まずは、日本のランキングから見ていきましょう。

(ライター: ナナセ)

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日本での球速ランキング

球速名前日付当時の所属
1166 km/hチアゴ・ビエイラ2021年8月13日巨人
2165 km/h大谷 翔平2016年10月16日日本ハム
2165 km/hロベルト・コルニエル2021年6月20日広島
2
165 km/h佐々木 朗希2023年4月28日ロッテ
3164 km/h千賀 滉大2022年5月13日ソフトバンク
4163 km/hロベルト・スアレス2021年6月8日阪神
4163 km/hエドウィン・エスコバー2021年6月13日DeNA
4163 km/hタイロン・ゲレーロ2022年7月9日ロッテ
5162 km/hマーク・クルーン2008年6月1日巨人
5162 km/hアルキメデス・カミネロ2018年6月14日巨人
5162 km/hリード・ギャレット2020年10月19日
西武
5162 km/h藤浪 晋太郎2020年10月19日阪神
5162 km/hアンドレス・マチャド2024年3月30日オリックス
5162 km/hアニュラス・ザバラ2024年6月14日 日本ハム

日本での球速ランキング1位は、166km/hを記録したチアゴ・ビエイラ投手です。ついに、長く日本の「最速」とされてきた大谷翔平投手の165km/hという記録を更新しました。
166km/hをたたき出した映像はこちら。

ビエイラ選手は、MLBのマリナーズ、ホワイトソックスを経て、2020年から巨人に加入しました。MLB時代には 103.8マイル(約167km/h) を計測したとも言われており、今後もNPB公式戦で自身の日本記録を更新する可能性を秘めています。

ビエイラ選手が166キロを出す前までは、大谷翔平投手の165キロが日本最速記録でした。

165キロの映像はコチラ。1分20秒からと2分40秒からが注目です!

この日の大谷投手は、速球だけでなく 151km/hのフォーク など、球速と変化量を兼ね備えた「反則レベル」のピッチングを披露していました。

当時から投手と打者の二刀流として注目され、故野村克也氏に、

『10年に1人の逸材』と呼ばれる者はよくいるが、プロ野球80年の歴史で、あんな選手は初めてだろう

と言わしめたほど!

その後はご存じのとおり、MLBでも前代未聞の記録を次々と打ち立て、まさしく「世界レベルのスーパースター」になりました。

佐々木朗希も日本人最速タイの165km/h

日本の「最速争い」をさらに熱くしたのが 佐々木朗希投手 です。

佐々木投手は2023年4月28日の試合で、
165km/hを4球連続で計測
大谷投手の日本人最速記録に並びました。

さらに2022年には、

  • 19奪三振の 完全試合

  • そこから続く「17イニング連続パーフェクト」

といった規格外の記録も達成。

完全試合や19奪三振などのインパクトも含めて、佐々木朗希は「日本人最速クラス」の象徴的な存在になっています。

160km/hを超える投手が“当たり前”の時代に

ランキング表を見ても分かる通り、162km/h以上を計測した投手だけで10人以上 います。

少し前までは「160km/h=別次元の怪物」というイメージでしたが、
近年はトレーニングや分析技術の発達もあり、

「160キロ級のストレートを投げる投手が、各球団に1人はいる」

くらいの時代になってきましたね。

では、舞台を世界に移して「人類最速ピッチャー」を見ていきましょう。

人類最速のピッチャーは?

まずはこの動画をごらん下さい

2010年9月24日、当時、米大リーグのシンシナティ・レッズに所属していたアロルディス・チャップマンが記録したのは、なんと105.8マイル!
時速にすれば170.3キロです!

この球は、現在も

  • ギネス世界記録「世界最速の野球の投球(男性)」

  • MLB公式の計測で史上最速ピッチ」

として認定されてる、”人類最速の1球”です。

なお、チャップマンの2011年4月18日の投球が、「世界最速の投球」としてYouTubeなどで出回っていますが、これは公式に最速と認定されているボールではありません。
この試合では球場のスコアボードに106マイルと表示されたものの、MLBの詳細な計測データではおよそ102.4マイル(約164.8km/h)とされています。

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MLBの「105マイルクラブ」:チャップマンに迫る怪物たち

MLBが現在のような高精度の球速計測を導入した2008年以降、105.0マイル(約169.0km/h)以上を記録した投球は十数球しかありません。

そのほとんどを投げているのがチャップマンですが、
近年は「チャップマンに迫る怪物」たちも登場しています。

代表的な105マイル投手たち

MLB公式の計測データや各種報道をもとに、代表的な「105マイル投手」をざっくり整理すると、こんな顔ぶれになります。

アロルディス・チャップマン
・最速:105.8mph(約170.3km/h)
・105マイル以上の投球を何度も記録し、「Mr.105」と呼ばれる存在。
ベン・ジョイス
・2024年9月3日に 105.5mph(約169.8km/h) を計測。
・「ピッチトラッキング時代で、三振を奪った球としては史上最速」と報じられました。
ジョーダン・ヒックス
・2018年に 105.1mph(約169.1km/h) を2度記録。
・チャップマンに並ぶ「105マイル超え投手」として話題に。

この3人が、現時点の「105マイルクラブ」の中核と言ってよさそうです。

ただ、もう一人、公式記録ではないですが、105マイルを投げたと報じられた投手もいますので付け加えておきます。

マイケル・コペック
・マイナー時代の登板などで105mph(約168.9km/h)を投げたと報じられています。
・MLBの公式な記録一覧には載っていないものの、「105マイル級の球を投げた投手の一人」としてよく名前が挙がります。

大谷投手を超える米大リーグ投手たち!!

米大リーグでは、
大谷翔平の165km/h(約102.5mph)を上回る球速 を記録した投手が、ゴロゴロと存在します。

たとえば、こんな名前が挙がります:

104マイル(約167.4キロ)台を記録した代表的な投手

ジョエル・ズマヤ(Joel Zumaya)
・2006年のポストシーズンで、当時の公式計測で104.8マイル(168.7キロ)を記録したことで有名です。

メイソン・ミラー(Mason Miller)
・2025年、パドレスのリリーバーとしてポストシーズンで104.5マイル(168.2キロ)を計測。

ハンター・グリーン(Hunter Greene)
・トリプルAデビュー戦で104.3マイル(167.9キロ)を計測したと報じられ、「マイナー時代から104マイル級の速球を投げる怪物」として話題になりました。

ライアン・ヘルズリー(Ryan Helsley)
・2022年前後のシーズンで104.0マイル(167.4キロ)を記録し、その年のMLB最速ピッチとして取り上げられたこともあります。

ボブ・フェラー(Bob Feller)
・1940年代の伝説的投手。当時は現在のようなレーダー計測がなく、実験的な方法による推定ではありますが、104マイル前後に達していたとも言われており、「昔の時代にもこんな怪物がいた」としてしばしば紹介されます。

ここで紹介したのは、あくまで代表的な5人だけです。MLB公式の計測データや過去の報道をざっくり追う限りでは、104マイル前後のボールを計測された投手は、ほかにも数人〜10人程度はいそうです(情報が不足しているので、推測ですが)。

いずれにしても、

「165km/hが最速の大谷投手ですら単に“速い方”に過ぎず、
MLB全体で見ると、それを上回る球速を投げる怪物が何人もいる

という事実が、剛速球の世界のヤバさを物語っています。

103マイル(約165.8キロ)台を記録した代表的な投手

※MLB公式の計測データや、過去のスピードガン表示・報道などをもとにした「103マイル台を記録した投手」の代表例です(一部は公式記録ではなく報道ベースの数字を含みます)。
マウリシオ・カブレラ(Mauricio Cabrera)
ブルース・ロンドン(Bruce Rondón)
ヘンリー・アルベルト・ロドリゲス(Henry Alberto Rodriguez)
タイロン・ゲレーロ(Tayron Guerrero)
ボビー・パーネル(Bobby Parnell)
ジョナサン・ブロクストン(Jonathan Broxton)
ネフタリ・フェリス(Neftalí Feliz)
ケルビン・ヘレラ(Kelvin Herrera)
ケン・ジャイルズ(Ken Giles)
マーク・ウォーラーズ(Mark Wohlers)
…など

ここに挙げた投手たちは、全員「大谷翔平の最速165km/h」を上回るボールを公式戦で記録しているわけで……
本当に、MLBの剛速球カルチャーおそるべしですよね…。

次に、視点を変えて女性の最速ピッチャ―の情報です。

女性の最速ピッチャーは?

女性投手については、
「誰が世界最速なのか?」という公式なランキングはまだはっきりしない部分が多いのですが、
近年はすごい選手が続々と現れています。

オーストラリアの怪物女子投手:ジーンヴィーヴ・ビーコム

オーストラリアの ジーンヴィーヴ・ビーコム(Genevieve Beacom) は、
プロリーグ「オーストラリアン・ベースボール・リーグ(ABL)」で
女性として初めて登板したことで話題になりました。

・左投げ
・身長約188cm
最速85.9mph(約138km/h)のファストボール

と紹介されており、女子としては世界トップクラスの球速を誇る存在です。
↓↓この記録を出した時の動画もあります↓↓

サラ・ハデク:80マイル台前半のストレートを投げる左腕

アメリカでは、サラ・ハデク(Sarah Hudek) が高校・大学時代に注目されました。

・左腕
・82mph(約132km/h)前後のストレート
・カレッジ野球(男子)で勝利投手にもなった実績あり

メディアやネット上では「130キロ台半ばまで出ている」という話もありますが、公的な記録としては80マイル台前半(130km/h前後)という情報がもっとも信頼できそうです。

女性投手の球速の目安

統計的なデータはまだ少ないものの、

多くの女子投手は70マイル台(110km/h前後)
130〜140km/h近く投げられれば、世界でもトップクラス
と考えてよさそうです。

男性・女性を問わず、世界に目を向けると桁外れの投手がたくさんいますね。
球速だけがすべてではありませんが…

やっぱり「剛速球」には、見ているだけで心をつかまれる”華”がありますよね!

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