最近、歩行者として、信号のない横断歩道を渡りやすくなったと感じませんか?僕は思いますし、実際にそうなんです。

警察が「信号のない横断歩道での違反」の取り締まりを強化したからなんですよね。では、

・一体、なぜ急に取り締まりを強化したのでしょうか?
・クルマ側からしてみたら、横断歩道でどうすると違反になってしまうのか?

簡単に説明していきたいと思います。

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警察も少し前まで見て見ぬふりだった?

僕自身は、今でこそきちんと横断歩道で停止しています。が、正直、ちょっと前までは、横断歩道で人が待っている状態で、停まるという事はあまりしていませんでした。

理由としては、個人的には、

・そもそも横断歩道で停止する習慣がなくて、人がいても無意識で通過してしまう
・クルマが連なる状態だと、後ろのクルマが気になって減速しづらい
・後ろにクルマがいない状態であれば、自分が横断歩道をササッと通過したほうが、歩行者もより早く横断開始できる

という考えがあったからだと思っています。

でも、これは横断歩道に人がいたら違反です。横断歩道は歩行者が優先という法律があります。これです。

道路交通法第38条
横断歩道に近づく時は、横断しようとする歩行者がいないことが明らかな場合を除き、横断歩道の直前(停止線がある場合は停止線の直前)で停止することができるような速度で進行しなければいけません。横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、横断歩道の直前(停止線がある場合は停止線の直前)で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければいけません。

要は、

・横断歩道に明らかに人がいない時しか、普通に通過できません。
・横断歩道付近に、渡るかどうかわからんけど人がいたら徐行しないとダメ。
・横断歩道を人が渡ろうとしていたら、停止しないとダメ。

という感じですね。

さて、こんな道路交通法があったにも関わらず、つい最近まで警察は、この横断歩道での違法状態をほとんど取り締まっていませんでした。それではなぜ、急に取り締まりを強化しはじめたのでしょうか?

横断歩道での違反の取り締まり強化を始めた理由は?


理由として挙げられているのは、以下の通り

・日本は、欧米諸国に比べて、交通死亡者のうち歩行者の占める割合が高い。それを減らしたい
・当時2020年の東京オリンピックに向けて、運転者と歩行者両方に「横断歩道」での基本的な交通ルールを定着させたい

と、こんな理由で、2018年から横断歩道での違反の取り締まりが強化されました。

僕自身も欧米諸国に行った時、日本と違って、「横断歩道できちんとクルマ停まってくれるんだー。」と感心したことがあります。

なので、「日本はこんな基本的な交通ルールを守らない国」だなんて思われたら恥ずかしい。東京オリンピックで海外の人が大勢集まる前になんとかしたい。なんていう思いがあったのかもしれませんね。

いずれにせよ、こうやって歩行者に優しくなっていくのは歓迎だと思いますので、理由はどうあれ良かったと思います。

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この取り締まり強化の効果は?

では、この取り締まり強化によって、どれくらいのクルマが横断歩道で停止してくれるようになったのでしょうか?

2018年と2020年の調査結果を比較してみましょう。

2018年のJAFの調査結果

歩行者がいる横断歩道で停止したクルマの割合は、全国平均で8.6%程だったとのこと。ちなみに、県による違いも大きくて、長野は半数以上(約59%)が停止してくれたけど、逆に栃木は全く停止しなかった(1%)との結果。東京の停止割合は2.1%でした。

2020年のJAFの調査結果

全体平均が21.3%。東京が6.6%でした。

確かに2年で少し改善されているのが数字には現れています。ただ、県によってチカラの入れ具合が異なっていたのか、効果は県によってバラバラでした。そこで、再び2020年に「横断歩道の違反の取り締まり強化」のお触れが出て今に至るという感じです。

ですので、2022年現在では、さらに改善されていると思いますし、僕自身もそう感じます。

違反になるケース、ならないケースの違いは?


先程、僕がざっくりと説明したのがこれです

(1)横断歩道に明らかに人がいない時しか、普通に通過できません。
(2)もし渡るかどうかわからんけど人がいたら徐行しないとダメ。
(3)渡ろうとしていたら、停止しないとダメ。

確実に違反にならないケースは上記(1)のみです。

あとはグレーゾーンです。違反になるかどうかは、ケース・バイ・ケースになると思います。

人がクルマから5m以上離れていたら停止しなくても良いとか、そんな目安もあるようですが、これもあまりあてにしてはいけないと思います。5m以上先から走ってくる人もいるでしょうし。とはいえ、例えば、片道2車線で信号がない横断歩道があったとします。そこで、反対車線で人が待ってるから停止する必要があるかといったら、距離もかなりあるだろうし、停止する必要はない可能性が高いでしょう。

要は、歩行者の横断を妨害したと警察に判定されたらダメなので、横断歩道の近くに人がいたら徐行、横断歩道で人が待っていたら停止するのが基本。あとは状況に応じて判断する。としか言いようがないと思います。

これに関しては、ここまでがOK、ここからはダメっていう線引きができないと思います。

歩行者に譲ってもらったのに違反になるケースもある

最近、結構問題になっているのがこのケースです。どういうケースかというと、

(1)歩行者が横断歩道にいたのでクルマが徐行する
(2)歩行者がドライバーに対して「先に行っていいよ」というジェスチャーをする
(3)クルマが停止せず横断歩道を通過
(4)警察に捕まる

こんなケースが結構あるみたいです。「歩行者に譲らせた事自体が、歩行者の妨害に当たる」と判断される事があるようです。中にはなんとか話をして撤回してもらったというケースもありますが、ちょっと、モヤモヤしますよね。

警察側の取り締まりもなんとかしてほしいものですが、こんなケースを避けるためにも、こちらから一時停止をしっかりしてから、判断しないと行けないっていうことかなと思います。

まとめ

正直、警察の取り締まりの仕方に疑問を持つようなケースが多いため、何とかしてほしいなという思いはあります。が、全体的には、歩行者優先がきちんと守られる世の中に少しでも近づきつつあり、嬉しいことではあります。

それと、道路交通法として規定はされているけど、実際は見逃されているものは他にもたくさんありますので、その辺も良くなっていったらいいなと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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