2014年冬季ソチオリンピックでは、金メダル13個を含む、計33個のメダルを獲得したロシア選手団。

そんな冬季オリンピック強国のロシアですが、2011年から4年間に渡り、なんと国主導による組織的なドーピングがあったことが明らかに!これにより、国際オリンピック委員会(IOC)は、平昌オリンピックへのロシア選手団の参加を認めないとの決定を下しました。

さて、ロシア選手団は一体どうなってしまうのでしょうか?

(ライター: アール)

スポンサーリンク

ロシア選手団のオリンピックへの参加はどうなる?

ロシアとはいえば、フィギュアスケート大国。メドベージェワ、アリーナ・ザギトワら有名選手が、平昌に参加できなくなるのか?!と思っていたところ、ロシアのプーチン大統領は、選手が個人資格で五輪に出場することを「政権として邪魔はしない」と述べました。

つまり、ロシアの有力選手も、ロシア選手団の一員としてではなく、個人で参加できる事となりました。

ニュースでも、『ロシア選手が個人資格で平昌オリンピックに参加へ』などというフレーズを良く見かけます。

でも個人資格って一体なんなんでしょうか?どんな資格なんでしょうか?

と、その前に基本的な事なのですが、オリンピックへの参加条件を簡単に説明しておきますね。

オリンピック参加のための基本条件について

まず、オリンピックへの参加資格を持つためには、自国のオリンピック委員会によって参加登録されていなければなりません。

日本でいえば、『日本オリンピック委員会(JOC)』の事です。

なお、その国の国籍保持者でなければ、その国のオリンピック委員会による参加登録ができません。

多少の例外はありますが、基本的には各国に1つのオリンピック委員会があり、今現在、世界では200を越えるオリンピック委員会が存在しております。

で、今回、国際オリンピック委員会(IOC)は、組織的なドーピングを理由に、ロシア・オリンピック委員会(ROC)を資格停止処分としました。

オリンピックに参加するためには、基本的には、各国のオリンピック委員会から派遣される必要があります。だからこそ、ロシアオリンピック委員会に登録されるロシア選手団の平昌オリンピックへの参加は不可能と思えます。

ですが、一部例外もあるのです。

例えば、1992年のバルセロナオリンピックでは以下の事例があります。

当時ユーゴスラビアは、紛争により国際連合の制裁下に置かれていました。そのため、ユーゴスラビアオリンピック委員会から、選手をオリンピックへ派遣することが事実上不可能となってしまいました。

国際オリンピック委員会はこの問題を救済すべく、ユーゴスラビア国籍選手の個人名義での参加を認めました。

通常オリンピックでは、入場行進では自国の国旗を持ちますし、表彰式ではその国の国旗を掲揚します。しかし、個人名義での参加ですので、国旗は五輪旗を使用しました。

このように、

・戦争、紛争などによってオリンピック委員会が機能していないケース
・オリンピック開催前に、国家・地域がなくなり、その国のオリンピック委員会が解散していたケース
・様々な理由で、その国のオリンピック委員会の資格停止がなされたケース

等々、その国のオリンピック委員会から派遣できないような状況の選手を救済すべく、これまでも、個人名義でオリンピックに参加した選手がそんなに多くはありませんが存在します。

直近の、2012年夏季ロンドンオリンピック、2014年冬季ソチオリンピック、2016年夏季リオデジャネイロオリンピックではいずれも個人資格での参加選手がいました。

スポンサーリンク

結局のところ、個人資格とは?

これまでに説明した内容から、個人資格での参加といっても、実際は、その国のオリンピック委員会から派遣されるはずの選手が、

自国のオリンピック委員会が機能していないがために、オリンピックへ派遣できない状態となっている。

このような状況を救済すべく、ある種特例として、個人での参加を認めてきたという経緯があります。今回のロシアも同様のケースとして、個人名義での参加となることでしょう。

ただ、個人資格といっても、本来はその国のオリンピック委員会から派遣されるほどの実力・実績のある人でないといけないでしょう。さらに、今回ロシアオリンピック委員会は、ドーピングが理由で資格停止となっています。ドーピングの疑いがある人は個人資格での参加を除外される可能性が高いですね。

つまり、個人資格とはいっても、結局のところ、その国で認められた人が出場するという事になります。

ですが、その国の代表としてではなく、中立の立場で参加することなり、国旗や国歌はもちろん使えず、その代わりに、五輪旗を掲揚し、五輪讃歌を歌うことになります。

まとめ

ロシア選手の参加ができなくなるかも?と聞いて寂しく感じた方も多いでしょう。特に日本にも、フィギュアスケートのロシア選手のファンが多くいますからね。

ですが、個人資格での参加ということで、ロシアの選手も参加できることとなりました。

北朝鮮問題や、それに端を発した各国の選手団を派遣しない可能性を示唆する発言、チケットがなかなか売れていない問題等々、平昌オリンピックは様々な問題を抱えております。
ですが、フィギュアスケートは冬季五輪の花形競技!有力選手の参加表明、活躍によって盛り上がることを期待しています!!

 

おすすめの記事