社会

ベーシックインカムとは何か?わかりやすくまとめてみました!

2017/10/11 [本日] 3 views [累計] 4,650 views



経済や政治についての知識があまりない方向けに、わかりやすい表現でベーシックインカムとは何かについて説明してみたいと思います。

ここ最近では、2017年10月「希望の党」がベーシックインカムを衆院選の公約にいれました!。2017年2月には、当時の民進党が「日本版ベーシックインカム」とも呼べる法案を提出していました。また、橋本徹さんや、ホリエモンこと堀江貴文さんも、ベーシックインカムに対して過去に積極的な発言をしていました。経済学者の方でもベーシックインカムを支持する方もそれなりにいます。

さて、それでは、ベーシックインカムとは一体何か?どんなメリット・デメリットがあるのか?について、簡単な表現でお話させていただきます。

(Author:アール)

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ベーシックインカムとは何か?

ベーシックインカムとは、政府が全国民に対して、最低限度の生活を保障できる一定額の現金を定期的に支給する制度です。

とても簡単なお話ですね。裕福な人から貧しい人まで、現在の収入に関わらず全国民に対してお金を支給するという事です。

え?何もしなくてもお金がもらえるの?
と疑問に思うかもしれませんが、そうなんです。そういう制度なんです。

例えば、1ヶ月に1人あたり7万円支給すると決めたとすれば、家族4人で28万円が何もしなくても手に入り、このお金だけでも最低限の生活が出来るでしょう。

この7万円という金額は決まっているわけではありませんが、大体5万円~10万円くらいを支給する案が主流のようで、無条件に国民の最低限度の生活を保証するものとなります。

さて、そもそも、なんでこんな話がでてきたの?と思う方もいるでしょう。
ちょっとその点について説明してみたいと思います。


ベーシックインカムが話題になる背景とは?

なんでもそうだと思うのですが、今の状態で問題なければ、わざわざ新しい制度を導入しなくても良いと思います。何か問題があるからこそ、あれやってみようか、これやってみようかと改善をしたり、新しい制度を考えたりするものです。

今現在、日本に限らず世界中で、経済状態や社会のあり方に数々の問題があります。その問題を改善するために考え出された制度のひとつが、ベーシックインカムというものなのです。

それでは、今の経済状態、社会のあり方の問題は、どんなものがあるのでしょうか?

日本国内に限定して話を進めますが、日々ニュースに接していれば、様々な問題があることはみなさんご存知だと思います。
代表的なモノをあげるとすれば、例えば、

貧困問題

生活保護世帯の増加、ワーキングプアと呼ばれる、年収200万円未満でギリギリの生活をしいられる人が増えています。この状態が少子化などの、さらに様々な問題を引き起こす原因となっています。

少子化問題

お金がないから子供を産めない。そもそも結婚する気がない。女性の社会進出が増えた等々。様々な原因があり、子供を産み育てるのが大変な世の中になっているのはみなさんご承知のことと思います。

社会保障制度の複雑化、コストの増大

児童手当、配偶者控除、生活保護制度、その他様々な社会保障制度があり、それらの手当や控除を受けるために、所得制限等の様々な制約があり、それをいちいちチェックしなくてはいけません。その制約自体が複雑化していますし、チェックにかなりの時間とお金がかけられていることでしょう。果たしてそのチェックにつぎ込まれるコストは妥当なのでしょうか?

年金問題

現在の年金制度は、現役世代の稼いだお金を高齢者の年金に充てるという仕組みになっています。少子高齢化の今の日本で、この状態が続けば年金制度が破綻するのは目に見えています。


他にももちろん、様々な問題がありますが、ひとまずこれらの問題に対して、ベーシックインカムを導入することによってどのような効果があるかを見ていきましょう。


ベーシックインカムの効果

貧困問題

そもそもベーシックインカムとは、全国民に対して、無条件で最低限度の生活ができる程度の金額を支給する制度です。ベーシックインカムの支給だけで救われる低所得世帯も多いことでしょう。

全国民が等しく最低限度の生活ができるお金を毎月手にすることができるので、貧困問題はなくなる方向に向かっていくでしょう。

少子化問題

ベーシックインカムを導入すると、子供が生まれればその分支給額が増えます。乱暴な言い方かもしれませんが、子供を産めばお金をもらえるという状況であれば、少なくとも今よりも子供を産んで育てようという人が増えるのは確実でしょう。

社会保障制度の複雑化、コストの増大

複雑化した社会保障制度の問題も、ベーシックインカムの導入により解決されることが期待できます。

まず、先ほど述べた児童手当、配偶者控除、生活保護制度などを残したままベーシックインカムを導入することは財源の問題でまず無理でしょう。

つまり、これら既存の社会保障制度はほとんど廃止した上でベーシックインカムを始める必要があります。
児童手当、配偶者控除、生活保護制度を廃止するという事は、これら手当、控除をチェックするためのコストはゼロとなります。さらに、ベーシックインカムは全国民に無条件で、自動的に支給されるものですので、支給するためのコストもかかりません。

今は、子供がいる人には児童手当、専業主婦(主夫)がいる世帯には配偶者控除といったように、個別の手当、控除で対応しています。これをベーシックインカムひとつだけでやっていくことにしてしまえば、とてもシンプルでコストも大幅に削減出来ることでしょう。

年金問題

年金も同じように、ベーシックインカムの制度に含ませてしまえば、細かい年金の計算やチェックなども必要なくなり、コストの削減につながることでしょう。


その他にも、様々な効果が期待できます。

例えば、最低限の生活保障があるから、
・ブラック企業に勤めている人が辞めやすくなる
⇒ブラック企業の撲滅につながり、社会全体的に労働環境がよくなる。

・物価の安い地方への移住
⇒最低限のお金があれば、相対的に物価の安い地方の方が良い暮らしができるようになる。これが地方の活性化につながる可能性がある。

・生活のための仕事ではなくなる
⇒生活のためにイヤイヤ仕事をするのではなく、やりたい事を仕事にするという人が増えてきて、社会全体が活性化され、明るくなる。また、残業時間も減り、ワークライフバランスが改善される。

等々です。


ベーシックインカムによって、毎月勝手にお金が入ってくるんだったら、働く意欲がなくなるのではないか?という指摘もあります。おそらく一部の人々は確かにそうなるかもしれません。
でも、全体的には、働く意欲がなくなるどころか、新たな産業が生まれたりして雇用が生まれ、経済が活性化するのではないかと思います。

その辺についても少し説明してみます。


新しい雇用の創造・経済の活性化

先ほど、社会保障制度がベーシックインカムに一本化されれば、コストが大幅に削減できると言いました。これは、言い換えれば、社会保障制度に関わっていた人がその職を失う事を意味します。

ただ、今後の世の中の流れを考えれば、ある意味当然の事のようにも感じます。何故なら、技術の進歩により、今後10年~20年後には、単純労働などはロボットにとって変わられるでしょうし、知的労働にしても、AI(人工知能)に雇用が奪われていくことも十分に考えられます。

だからこそ、ベーシックインカムがそれを解決・改善するためのひとつの手段になり得るのです。

というのは、社会保障制度がベーシックインカムという全く別のものに変わるということは、それに伴いシステム構築・整備などの雇用が生まれることになります。また同時に、電子マネー・仮想通貨といったものも積極的に導入するようにすれば、それ自体が新しい産業になり、大きな雇用を生み出す可能性があります。

また、ベーシックインカムは最低限度の生活しか保証されないような金額をもらうだけですので、大半の人は仕事を辞めないと思います。それどころか、最低限の生活が保障された状態であれば、失敗しても路頭に迷うことがありません。

そのようなリスクがあまりない状態であれば、新たな産業やイノベーションを起こそうと思う人が増える事でしょう。それが経済を活発化させる可能性が十分にあります。


というように、ベーシックインカムの導入による良い面を強調しましたが、もちろん、それを実現するためにはかなりの壁が立ちはだかっていますし、デメリットも存在します。

まず最初に立ちはだかる壁は、財源の問題でしょう。


どこから財源を調達するの?

一般的には、税金をこれまでより多くとって、それを財源に使うという形になると思います。消費税や所得税の増税で賄うという事です。こうなると、もしかしたら、中~高所得層にはあまり恩恵がないかもしれませんね。

ただ、今の状態でも、つまり、税金を多くとらなくても、ベーシックインカムは十分可能であると主張する人も結構います。その人達の主張は例えばこんな感じです。

2014年度の社会保障で支給した金額は、全部で112兆円。
その内訳はざっくり言って、
年金が54兆3000億円。
介護や子育てなどの福祉関係に21兆4000億円。
医療に36兆3000億円。
となります。

医療費は減らせないと考えて、医療費以外の社会保障費を全部廃止します。
生活保護も、年金も、児童手当等は全部廃止です。そうすると約75兆円が自由に使えるようになります。

75兆円を日本国民1億2000万人に配ると、今でも毎月5万2000円支給できる計算となります。

だから、今すぐにでも毎月5万円を支給するベーシックインカムを導入できるという感じです。

確かに、やろうと思えばできなくはないのかなと思えてきそうですが、実際はかなりの反発があるでしょうね。

先ほど言いましたように、社会保障制度に関わる公務員の仕事が一気になくなってしまいますし、生活保護にしても年金にしても、貰える額が極端に減る人がでてきそうですし。その他、多くの問題がありそうですので、いきなりはまず無理でしょう。

ベーシックインカムは、冒頭でも述べましたように「最低限度の生活を保障できる一定額の現金を定期的に支給する制度」です。あたりまえですが、それをどうやって実現するかは、その国ごとに考えて決めなくてはいけません。

そういうことからも、社会への影響が大きくならないように考える必要があります。いきなり社会保障を全部廃止するというのは、普通に考えてまず無理でしょう。ですから、社会保障の一部から徐々にベーシックインカム制度に統合していくなど、時間をかけて、ゆるやかに進めていく形が現実的なのかなとは思います。


まとめ

「タダより安いものはない」という言葉がありますよね。
そういう事もあって、実は私は「無条件でタダで毎月をお金をもらえる」ベーシックインカム制度をうさんくさく思っていました。

しかしながら、ベーシックインカムについて調べていくと、本記事中で述べましたように、日本の経済に対して、また社会生活全般に対して一定の効果はあるのかなと今では感じています。

今の日本では、お金にまつわる多くの問題が存在します。
日本の借金は1000兆円を超えていますし、生活保護費の不正受給問題、年金問題等々、社会保障制度の複雑化、制度の設計ミスから来る様々な問題があります。

このままではいけないのは明らかです。ベーシックインカム、もしくはそれに似たような制度というのはこの現状を改革・改善するための十分に有効な手段のひとつだと感じます。

ベーシックインカムというのはまだそれほど国民に知れ渡ったものではありません。ですが、希望の党が公約にも入れましたし、これをきっかけに、国会議論などでみなさんの目に触れるようになるかもしれませんね。

そして、日本の社会保障制度が良くなるきっかけになってほしいものです。