東京五輪は、招致の時から大きなお金が動いていました。綺麗なお金も、そうでもないお金も。そして、今回発覚したのは、東京五輪開催決定後の、不正なお金のやりとりについてです。

五輪招致の時の不正に関しては以下の記事でまとめています。

この記事では、今回の汚職について、できるだけ簡単な言葉で、わかりやすくまとめていますので、ご参考にしていただけたら嬉しいです。

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そもそも何故この汚職が起こったのだろうか?

そもそもですが、お金が大きく動くようなイベントでは、そこから大きな利益を得ようと考えるのは企業としては、当たり前だと思います。

東京オリンピックが開催されれば、

・人がいっぱい東京に集まってお金を使ってくれる
・オリンピック関連のグッズ、アイテム等がいっぱい売れる
・スポンサーになれば世間に名が知れ渡って、将来的な売上につながる

等々、当たり前ですが、お金に関して様々な事が考えられます。

しかし、五輪商品のためのライセンスを取得したり、スポンサーになるためにはそれなりに審査があります。五輪でひと儲けしたいけど、そのためには、まずその審査をパスしなければいけない。

そんなとき、「その審査に強い影響力を持った人物に働きかければ、審査をパスする可能性が高まる」と考える人がいても、まあ、不思議ではないでしょう。

そんな審査に強い影響力を持った人物が、今回逮捕された高橋氏でした。

高橋氏とはどんな人物だったのか?

高橋氏は、元「電通」の専務であり、東京五輪の大会組織委員会の理事をしていました。そして「コモンズ」という会社の代表取締役でもありました。

高橋氏は、スポーツビジネス界のフィクサーとささやかれるほど、絶大な影響力があったと言われています。

実際に、高橋氏は色んな事を電通自体に手がけてきました。例えば、

・ペレ引退試合
・日韓W杯
・マイク・タイソン
・世界陸上

等々

このような様々な国際的なスポーツのイベントを手がけてきました。高橋氏は電通の人だったので、もちろん、それらのイベントで広告をつけてかなり稼ぐ事ができたのでしょう。それだけでなく、国際競技団体の要人と深い関係や、人脈を持つに至りました。

こうして、スポーツにおいてのビジネスでは絶大な影響力を持つ人物となりました。

こうなると、様々な人や団体から、大なり小なり便宜をはかってほしいという声が届くのは、ごく普通の事だったのかもしれません。

そんな中で発覚したのが、今回の汚職事件でした。

高橋氏は、東京五輪以前の大きなスポーツイベントでも、もしかして同様の便宜をはかるようなことがあったのかもしれません。それはコンサル料として、ある意味グレーゾーンで、汚職として捜査されるような事はなかったのかもしれません。

しかしながら、東京五輪は公金が投入されています。五輪の組織委員会のメンバーとして働くという事は、準公務員として働くという事になります。準公務員扱いとなれば、お金にも厳しくなり、今回行った便宜が厳しくチェックされたのかもしれません。

現時点ではこのような事を推測する事しかできませんが、捜査が進むにつれて分かってくることでしょう。

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2022年9月時点でわかっている全体像

現時点で分かっている全体像は、かなりシンプルに表現すると以下のような感じです。

AOKIにについて

今回の一連の汚職事件で、最初に逮捕されたのは、AOKI創業者の青木氏でした。

高橋氏は、AOKI側からのスポンサー契約、ライセンス商品の販売権などをめぐって便宜をはかるよう依頼をうけました。その便宜と引き換えに5100万円(2017年10月~2022年3月)を受け取った疑いがあります。

実際に、AOKIはコモンズと2017年秋にコンサル契約を結び、2018年には、スポンサー契約、ライセンス商品の販売権などを得ています。

AOKIは五輪スポンサーとしては新参者だったという事で、何かと高橋氏から力を借りたかったのでしょう。

実際、青木氏は「高橋氏は重要な位置にいたと認識」「お願いできることはしてほしい」と部下に指示したという趣旨の話をしています。

高橋氏も、前述した通りかなりの影響力を持った人物。ライセンス商品やスポンサー契約の審査に対してなんらかの影響を与えた可能性が強いのでしょう。

なお、これだけでなく、2018年、AOKI側から、電通の子会社を通じて、2億3000万円がわたっている事もわかっています。このうち1億円は、高橋氏が経営するステーキ店の借入金の返済に充てられていたとの情報もあります。

高橋氏は、2億3000万円は、過去のコンサル料の未払い分だったと説明しています。

KADOKAWAの汚職について

AOKIの件では、高橋氏が代表取締役を務める「コモンズ」にお金がわたっていましたが、KADOKAWAの場合は違います。

KADOKAWAは、高橋氏の電通時代の後輩である、深見氏が社長をつとめるコンサル会社「コモンズ2」に対して約7600万円を支払っているのです。名目はコンサル料です。

これは、高橋氏と深見氏が共謀したとの疑いです。いずれにせよ、KADOKAWA側としては、「公式ガイドブック」などライセンス商品を、大会スポンサーとして出版・販売する事が可能となりました。

大広について

オリンピックのためのスポンサー獲得業務は、電通が担っていました。ところが、高橋氏から「このスポンサー獲得業務の一部を大広に委託するように」との働きかけがあったと明るみになっています。

実際に、大広はスポンサー獲得業務を委託されました。そして、「コモンズ2」に対して金銭が渡ったことが発覚しています。

まとめ

今現在、数社が話題になっている程度ですが、実は、これは氷山の一角かもしれません。金額の大きいモノが狙い撃ちされただけかもしれません。

現在も、相当の数の企業が事情聴取をうけているようで、今後も、同様の企業が出てくる可能性は高いと思われます。

アスリートファーストで行くと宣言した大会でしたので、お金に関してもクリーンで終わってほしかったので残念でなりません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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