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【VW排ガス不正問題】来年1月からリコール開始!リコールって何するの?

2016/08/23 [本日] 3 views [累計] 972 views

exhaust emission
自動車の知識があまりない方向けに、リコール方法について簡単にまとめてみたいと思います。
とても簡単に説明するため、細かい部分は省略している事もありますので、その点ご了承くださいませ。

一向に治まる気配が見えない、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題。
問題の部品は一体いつ、どのように修理されるのでしょうか?

以下、順を追って説明していきたいと思います。
1.そもそもリコールとは?
2.今回の不正問題のおさらい
3.不正ソフトの修理方法とは?
4.ソフトの書き換えだけでダメな車両もあるの?
5.リコールは強制なの?

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1.そもそもリコールとは?

自動車を販売するためには、販売する国の法規を満たしている必要があります。

法規とは、例えば、ブレーキが故障したら、ドライバーにわかるようにブレーキの警告灯(スピードメーターのそばにある)を点灯させなくてはいけないとか、ブレーキを踏んだ時は、ある決められた減速度以上が出なければいけないとか、とにかく守らなければいけない様々な規定があります。
また、排ガスの基準も各国で決められており、それをクリアしている必要があります。

リコールとは、上記のような、自動車の安全上、公害防止上の規定に適合しなくなるおそれがある状態、もしくは適合していない状態の場合に、その旨を届け出て自動車を回収し、無償で修理する制度です。

今回の問題は、自動車の排ガス基準に適合できていなかったので、それを適合できる状態に修理する必要があります。

2.今回の不正問題のおさらい

今回のVW不正問題は、北米の排ガス規制基準に適合していないということが明るみに出てしまったのがきっかけです。
そもそも、自動車の発売前には、排ガス基準に適合しているかどうかの試験を実施しています。

その試験をパスしているにもかかわらず、販売されていたクルマで抜き打ち検査したら、排ガス基準に適合していない!!という事がばれてしまった状態ですね。

そして深く調べていくと、どうやら、排ガスの試験実施の時だけ、きれいな排ガスが出るような不正なプログラムがディーゼルエンジンのコンピュータに仕込まれていたと言う事です。

よって、コンピュータに書き込まれている不正なプログラム(ソフトウェア)を、排ガス試験以外の時でも基準に適合できるような正しいソフトウェアで上書きする必要があります。

3.不正ソフトウェアの修理方法とは?

ソフトウェアの上書きはとても簡単です。

まず、最近の自動車内部には多数のコンピュータが存在します。
例えば、今回問題となったエンジンのコンピュータをはじめ、ブレーキをコントロールするコンピュータ、エアバッグを制御するコンピュータなどなど。

これらのコンピュータは、CANという配線で繋がれているのが一般的です。
そして、これら自動車内部のコンピュータと接続ができるOBD2というコネクタが存在します。

ディーラーでは、そのコネクタに接続できるコンピュータを持っています。

ディーラーのコンピュータと、自動車内のコンピュータとが接続され、ディーラーのコンピュータから該当のコンピュータ(今回はディーゼルエンジンのコンピュータ)に対して、ソフトウェアの上書き命令を出せば、おそらく1分もあれば終了するものと思われます。

ソフトの上書きは簡単なんですが、それだけではダメな車両もあると発表されています。

4.ソフトの書き換えだけでダメな車両もあるの?

VWは、不正ソフトを使用したクルマが全世界で1100万台、そのうち欧州だけで850万台にもなると発表しています。
さらに欧州の850万台のうち、ソフトの書き換えだけではなく、燃料噴射装置等の部品をも交換しなくていけない車両が360万台にも上るとも発表しています。

とてもおかしいですね!!
何故なら不正ソフトを使って、排ガス規制試験をパスしていたはずです。
常に排ガス規制試験をパスした状態になるようにソフトを書き換えれば良いだけのはずです。

排ガス規制をパスできるような処理をすると、それに伴い燃費悪化や、エンジンの出力低下等の性能面での悪影響がわかっています。

ですので、ここからは私見ですが、
おそらく、ソフトを書き換えると、著しくエンジンの性能が悪化し、使い物にならない程走行性能が落ちてしまうものが、850万台中、360万台もあったという事なのかなと思います。

で、その360万台は、エンジンがだいぶ古い型なので、より性能が向上した燃料噴射装置等へ交換するという事が考えられます。

そうする事により、排ガス基準をパスできるような状態にしても、走行性能をそれほど落とさずにできるという事ではないでしょうか。

いずれにせよ、途方もないリコール台数ですね。
VWの経営が非常に心配です。

5.リコールは強制なの?

VWは、リコールは、希望するユーザーに対してのみ行うように働きかけていました。
ですが、ドイツの連邦自動車局(KBA)はそれを認めず、ドイツ国内の不正ソフト使用車両240万台のリコールを義務付けました。

リコールは2016年1月から実施されるようです。

ところで、この不正ソフトのリコールに応じれば、エンジン性能が悪化する事は目に見えています。
こんな状態だと、リコールを無視するユーザーも多いのではないでしょうか?

リコールを無視するとどうなるのでしょうか?

基本的には、リコールはドライバーが危険に晒されるからとか、法規に適合しないから等の理由で行われるものです。
今回の件も、排ガス基準を満たしていないので、本来であれば販売できない車です。
法律を守らず走っているような状況です。

よって、日本で言えば、車検に通らなくなるのではないでしょうか。
ドイツ版の車検制度わかりませんが...。

いずれにせよ、車検でリコール対象部品が修理されていない事が発覚して、修理・交換されるということになりそうですね。

これが、ブレーキ装置の不具合によりリコール等だったらもっと深刻だと思います。

例えば、車両後部のブレーキランプが点灯しない!というリコール内容で、リコールによる修理を無視し続けた場合を考えてみます。

自分がブレーキをかけた際に、後ろを走る車両が追突してきたとします。
普通は後ろからの衝突は圧倒的に後ろの車両に過失があることになります。

ですが、ブレーキランプが点灯しなかったから、そして、リコールに応じなかったからという事で、大きな過失となってしまいます。

結果として、後ろの車両に対して賠償するはめになってしまいます。
リコールは、当たり前ですが素直に応じるべきでしょう。


ここ最近、リコールのニュースが世間をにぎわせることが多くなってきた気がします。
しかも、対象台数が数百万台というのも珍しくなくなってきました。

その事により、自動車メーカー各社は、品質問題により真剣に取り組むようになったのは良い事だと思います。
が、ただでさえ忙しいのに、追加で厳しい品質チェックを求められるようになったエンジニアの苦労は大変なものです。実はそれは私もですが(ぼそっ)。

エンジニアに負荷がかかりすぎて、ミスが多くなり、逆に品質を低下させないように、
バランスよく品質問題を解決していって欲しいものです!!

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