平昌オリンピック団体戦ショートに出場したフィギュアスケートの宮原知子選手。

オリンピック初出場とは思えない堂々とした演技で大観衆を魅了しました。

しかし、点数は68.95点と思ったより伸びず。

このことが、国内外のフィギュアファンの間で物議を醸しています。

今回は、個人戦に向けてなぜこのような点数になったのか、元選手の見解を踏まえて検証してみようと思います。

(ライター:myk)

Sponsored Link

点数が伸びなかった要因は?

まずは、宮原選手の平昌オリンピック団体戦ショートの演技動画です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm32724285

演技全体の印象としては非常に素晴らしいものでしたし特に目立ったミスはないように思われましたが、プロトコル(採点表)を見ると3回転ルッツー3回転トウループのコンビネーションで2本とも回転不足を取られていました。

出来栄えでも大きくマイナスを取られ、結果的にこれが大きな痛手となってしまいました。

また、演技構成点を見ても他のトップ選手に比べて点数は低め。

伸びやかで繊細な美しい表現ができていたと思われた一方で、その評価はかなり抑えられてしまったように思います。

今回はジャンプの回転不足に着目して、なぜそのような判定がなされたのかを検証してみましょう。

 

回転不足の定義・判定のしかた

そもそも、フィギュアスケートのジャンプはどのような基準で回転不足と認定されるのでしょうか?

回転不足の定義は、踏切から着氷まで1/4以上の回転が足りていなければアンダーローテーション、1/2以上でダウングレードに減点されます。

判断は機械ではなく専門の審判員が映像のスロー再生を確認し、踏切や着氷までの姿勢や、つま先やブレードの角度などを見て行われます。

 

フィギュアスケートの元選手でジャッジ経験もある中庭健介氏によると、「ジャンプは一回、一回、踏み切る角度も違いますし、テイクオフもランディングもカーブを描く中で行われるので、“どららとも取れる”という微妙なグレーゾーンが発生する」といいます。そのため、多少ではありますが、審判員の主観で”厳しい、甘い”という傾向が出ることもあるそうです。

ただし、「歴史的に五輪の判定がいつも厳しいのか、というとそうではありません」とも発言しています。

 

フィギュアファンの意見

・え?宮原知子選手どこが悪かった?納得のいかない得点。。

回転不足取られたとしても低すぎでしょ?すごい綺麗だったのに

 

・フィギュアスケートには、分かりやすいミスと分かりにくいミスがある。(中略)宮原知子のミスは分かりにくい。なぜなら宮原は回転不足でも綺麗にランディングできる。そして回転スピードがとてつもなく早くて人の目では着氷を判別できない。

 

・宮原知子選手の点数が低い低いって言われてるけどあれは妥当な点数だと思う。(中略)今までの外国での大会だってほとんど回転不足とられてたんだから改善されてないし当たり前じゃん。

(意見はTwitterより抜粋)

 

さまざまな意見を見てみると、「回転は足りているはずなのにおかしい」派と「回転不足判定は妥当」派で真っ二つ。

また、浅田真央さんが現役時代に回転不足を多く取られていたことや、団体戦に出ていた他の選手と比較する声も多く見られました。

 

元選手、専門家の発言

髙橋大輔
演技の出来に関しては「非常に素晴らしかった」と絶賛した上で、「ちょっとあの得点は抑えられすぎじゃないかなというところはある。ジャンプも上から見ると回っていると思った」「カメラや見る位置の角度によって回転不足に見えてしまうこともあるので、そういったところが不運だったのでは」

(発言は2月12日放送の「とくダネ!」より)

 
町田樹
「私はすべての選手の演技をスローモーションで慎重に確認した結果、宮原選手のジャンプは何ら遜色ありません」

(発言は2月12日放送のテレビ東京平昌五輪中継より)

 
八木沼純子
「連続3回転ジャンプの回転不足は驚きました。セカンドは…? と感じたのですが、確実に回っていたように見えました。本人にもその感覚があったと思います。厳しいジャッジですね。確実に不足なく着氷する練習は十二分にしてきたと聞いています。」

(日刊スポーツ評論家 2月12日付)

 
中庭健介
「あくまでテレビ映像を見ての個人的な意見ですが、少し厳しい判定だったように思えました」「おそらく違った審判員が違った大会で、今日の宮原さんのジャンプを判定すれば、アンダーローテーション(回転不足)を取らない可能性もあります。明らかなアンダーローテーションではなく、それほど微妙な判定だったことは確かです。(中略)“ここからがクリア、ここからがアンダー”というライン(基準)を公式練習などを見ながら審判員が固めるのですが、今日のラインが、今回の五輪では個人戦でも目安となるのでしょう」

(発言は、「THE PAGE」2月12日付)

 

こうやって専門家の発言を見ていても、団体戦ショートのジャッジはかなり厳しいものだったことがうかがえます。

ただ、その中でもさまざまな見方があり、フィギュアスケートの回転不足の判定は非常にシビアなものであることがわかりますね。

 

まとめ

思うように点数が伸びなかった宮原選手の演技。

私自身も演技を見ていて自己ベストか、それに近い点数が出るものと思っていました。

しかし、審判員の見る角度や主観によって、その評価は見た目との乖離が起こることがあるということがわかりました。

また、他の選手と比べると高さには少し劣ってしまうもののスピードと回転の速さで回りきるという宮原選手のジャンプの特性上、目視で確認するにはかなり難しいということもあったのかもしれません。

よって私があのジャンプが回転不足なのかどうかを断言することはできかねますが、ジャンプの回転不足の判断は専門家の目で見ても非常にシビアで、難しいものであるということがわかりました。

フィギュアスケートにおける「人の目で見て採点する」ということの難しさが、この問題で浮き彫りになったように思います。

 

しかし、それでも宮原選手は個人戦に向けて前を向いています。

以前から、ジャンプに限らず厳しい判定を取られることがあっても即座に対応し、並々ならぬ努力でその課題を乗り越えてきた宮原選手です。

個人戦でも自信を持っていってほしいと思いますし、納得のいく、ベストな演技で日本中を沸かせてほしいですね。

【関連記事】
五輪フィギュア男子で不正採点疑惑!採点方法はどうなっているの?
オリンピック出場への個人資格とは?ロシア選手が個人名義で平昌冬季オリンピックに参加!

おすすめの記事