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【サルでも分かる】VWの排ガス不正問題、部品供給はボッシュ社!

2016/09/23 [本日] 8 views [累計] 8,328 views

VW
フォルクスワーゲン(以下VW)の排ガス不正問題を、自動車の知識がない素人の方でも分かるようにまとめてみました。
説明の都合上、細部の省略等あるのですが、自動車知識がない人向けの解説ですのでその点ご了承ください。

私自身、自動車の研究開発に従事していた事もあり、本問題は非常に気になり注視しております。

特に本件、VWだけの責任なのか、VWに問題の部品を供給していた側には問題がないか?
という事が個人的に特に気になっており、その辺も含めて自分なりに分かりやすくまとめてみました。

概要としては、
1.VWの排ガス不正!一体何が問題なのか?
2.いまどきの車はエンジンもコンピューターで制御されている
3.何故不正を行ってしまったのか?
4.VWの排ガス不正は、ディーゼルエンジンが問題
5.自動車の開発方法は?部品メーカー無くして開発できず!!
6.責任の所在は?VW?ボッシュ(部品メーカー)?

となります。

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VWの排ガス不正!一体何が問題なの?

地球温暖化の原因のひとつと言われている自動車の排ガス。
排ガスをよりクリーンにしようと、排ガス規制が各国で定められています。

今回のVW、排ガス不正問題をとっても簡単にいうと、
『北米の排ガス規制をはるかに上回る窒素酸化物(NOx)が、VWの自動車から検出されてしまった』
という事です。

さらに悪い事に、排ガス規制の試験を行った時には試験をパスできていたのに、実際に販売された自動車で試験すると、規制値を最大で約40倍も上回るNOxの値を検出してしまったそうです。

つまり、排ガス規制テストの時にだけクリーンな排ガスが出るような、なにかしらのイカサマが仕組まれていたと言う事です。

さて、このイカサマはどのように行われていたのでしょうか?


いまどきの車はエンジンもコンピューターで制御されている

自動車は、走る!曲がる!止まる!という大きく分けて3要素で成り立っています。
この3要素、いまどきの自動車は全てコンピュータ制御がなされています。
無論、『走る』の要素を司るエンジンも例外ではありません。

自動車は、エンジンの中で、ガソリンあるいは軽油といった燃料を爆発させ、その爆発のエネルギーを回転エネルギーに変えて、最終的にはタイヤを回転させる事で、走る事を実現させています。

燃料爆発のプロセスは、エンジンの中に燃料を注入して、それに着火させるというサイクルを繰り返すのですが、
『どれくらいの燃料を注入するのか』『どんなタイミングで着火させるのか』等で、燃費が変わってきますし、燃焼後の排ガスの毒性も変わってきます。

よって、それらをコンピュータでコントロールする事で、より良い燃費、排ガスのクリーン化等を実現しています。


何故、VWは不正を行ってしまったのか?

推測も交じってしまいますが、原因はおおかた下記のような話だと思います。

コンピュータ制御により、排ガスをよりクリーンにすれば、それに伴いエンジンの性能(出力、燃費等)が低下してしまう。
つまり、クリーンにすれば、その分走行能力が低下してしまい、商品性も悪化してしまう。

エンジンの性能が低下してしまい、カタログに記載できる数字も悪くなってしまうと、他社との販売競争で後れを取ってしまう!

それを回避するために、排ガス規制テストの時にだけ、排ガスがクリーンになるコンピュータ制御を行うよう、不正プログラムをあらかじめ組み込んでおいた。

そうすれば、エンジン性能が低下するのは排ガス規制テスト時のみで、実際に市場に出回った車はエンジン性能の低下はなし。
排ガス規制テストを通った、不正をしていない他車種と比べれば、エンジン性能は高く見られるという寸法ですね。

と言うわけで、この不正を行ったのは、
『商品性の悪化を回避して、他車種より優位に立ち、販売数を稼ぐため』というのが理由と思われます。

VWは、トヨタと世界一の販売台数を争っていましたし、悪魔の囁きに負けてしまったという事でしょうか?


VWの排ガス不正は、ディーゼルエンジンが問題

この問題は、ガソリンエンジン車ではなく、ディーゼルエンジン車で起きた問題です。
ガソリンエンジンの燃料はガソリン。ディーゼルエンジンの燃料は軽油になります。

ガソリンエンジンより、ディーゼルエンジンの方が爆発させた後に排出される物質の毒性が高いため、ガソリンエンジンが主流になったという経緯がまずあります。

ところが『コモンレール』と呼ばれる新技術により、ディーゼルエンジンを使っても、毒性の低いクリーンな排ガスとなり、ディーゼルエンジンがヨーロッパを中心にして復権してきたのです。

それにより、ヨーロッパでは、販売される自動車の約半数以上がディーゼルエンジンという状況となっています。

理由としては、ディーゼルエンジンで使われる軽油がガソリンより安いこと、燃費がガソリンエンジンより良い事、加速がガソリンエンジンより良い事等が挙げられます

ちなみに、『コモンレール』システムを開発して、市販車へそれを展開し、今でもクリーンディーゼルに関して圧倒的な存在感を示しているのが、自動車部品メーカー最大手・ボッシュ社です。


自動車の開発方法は?部品メーカー無くして開発できず!!

自動車の開発は、当たり前ですが、自動車メーカーだけではできません。
というか、自動車メーカーのお仕事は、どちらかといえば、
『自動車部品メーカーの作った部品を組みあわて一台の車を作り上げる』
といった方が良いかもしれません。

自動車メーカー自身が作っている部品って、あまりないように感じます。
エンジン等の自動車の心臓に当たる部分は、自前で作ったりというのは多いと思いますが...。

ここでいいたいのは、今回の排ガス不正でも、不正となる部品を実際に作ったのは、
VWではなく、部品メーカーである。
という事です。

今回のケースでいえば、すでに述べたとおり、クリーンディーゼルの専門家集団と行っても過言ではない、ボッシュ社がVWに部品を供給しているとの事です。


責任の所在は?VW?ボッシュ(部品メーカー)?

エアバッグの問題が北米を中心に話題になったのは記憶に新しい事と思います。
このケースでは、部品メーカーのタカタが巨額の損害賠償やリコールの費用を求められています。

VWの不正に関しては、ボッシュ社が、今回の不正問題のある車に対して部品を供給したことは認めています。
今後のボッシュに対する賠償などはどうなるのでしょうか?

現時点で、ボッシュ社は、

ボッシュが納入するのは、自動車メーカーが定める仕様に従って製造した部品です。そして、これらの部品を適合し、車両システム全体に組み込む責任は、個々の自動車メーカーが担っています。

と、Webサイトでコメントを出しています。

また、ドイツのあるメディアが報じた内容の一部を以下に要約します。
ボッシュは、ソフトは内部でのテストのために使用するもので、販売する車に搭載する目的では供給はしていない。そして、2007年に、VWに対して、規制逃れのためにソフトを市販車に搭載するのは違法だと警告する文書を送っていたそうです。

この情報を見る限り、ボッシュは問題のソフトを、不正ソフトとしてでなく、VW社内でのテスト用のソフトとして供給していて、それを市販車に使ってはいけないと警告もしている。
だとすればボッシュに責任が及ぶ可能性は低いと思われます。

まだ事実が出そろってるとは言いがたいので、なんとも言えない状況ではありますが...。

個人的には、ボッシュ創業者である、ロバート・ボッシュの理念『信頼を失うくらいなら、お金を失った方が良い』だったかな...。
そういった理念が浸透している素晴らしい会社だなと昔に感じていたので、その思いをぶち壊させないで欲しいところですが...。

はてさて、どうなることやら。
今後の動向に注目ですね。


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