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【日産問題】完成車検査とは?何が問題なのかわかりやすく解説!

2017/10/11 [本日] 4 views [累計] 181 views



日産が、全工場で無資格の従業員が完成検査を行っていたという事実が明らかになりました。

これにより、新車登録前の6万台が検査をやり直し、さらに、すでにユーザーの手に渡った121万台のリコールをすることになったようです。

ユーザーにとって一番気になるのは、何か安全性に問題があるのかどうかではないでしょうか?

そこで本記事では、完成車検査とは何か?それを無資格者が検査するとどうなるのか?自分の所有する日産車は大丈夫なのか?
自動車の専門用語がわからない人向けにわかりやすくまとめてみました。

(ライター: アール)

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自動車の完成車検査とは何か?

自動車1台を作り上げるために使われる部品の数は、小さいものまで含めると、2~3万点となります。

それら全部の部品を取り付けて、きちんと動くかどうかを確認する必要があります。その確認工程が、『完成車検査』と呼ばれます。

具体的には、組み立てが完了したところで、ガソリンを入れます。
そして、そのクルマの装備品の違いにより検査項目が変わってきますが、大体以下のような感じです。
・まずシート、ナビ・オーディオ、窓ガラス、ハンドルなどの室内から確認がなされます。

・次にヘッドライトがきちんと点くか、光の向きを正しい位置に調整します。

・次にクルマをローラーの上に乗せてアクセルを踏んで走行します。ここではタイヤが回転しますが、前には進まず、その代わりにローラーが回転することになります。つまり、その場であたかもクルマが走行している状態を作り出します。



・ローラー上では、きちんと速度が出るか(全てのタイヤがアクセルの踏む量に応じて回転するか)?ブレーキは効くか?スピードメーターは正確か?などを確認します。

・最後は、シャワーを浴びせて、車内に水が入らないか等を確認します。

ここで特に気になるのは、安全に深くかかわるローラー上での検査ですね。ここで何か検査ミスをすると、何か走行性能に不具合を抱えたクルマが出荷されることにつながりかねません。

ですが、この工程は検査員の作業がそんなに複雑にならないよう、自動化できるところはコンピュータが自動でチェックするようにもしています。つまり、無資格車だからといって検査ミスはさほどないのではと推測します。

さらに、ここで仮に不具合を見逃したとしても、自動車内部のコンピューター(例えばエンジン制御コンピュータ、ブレーキ制御コンピュータ等)では、不具合を自動検出する仕組みが常に働いており、ディーラーに運ばれる前にその不具合が発覚する可能性も高いです。

このように、何重もの安全性のチェックを人間の目と手とコンピュータでしており、今あなたが乗っている日産車に何か問題があるのでは?という可能性はかなり低いとは思います。
(※私は完成車検査の自動チェック装置の開発、自動車内部のコンピューター開発に携わった経験からこのように述べています)


今回、日産は何をやっちゃったの?

本来、クルマが自動車ナンバーを取得して、一般公道上を走るためには、陸運局にクルマを持ち込み、国が定めた『安全に走行できる最低限の基準』の検査に合格しなければなりません。

ただし、何百万台と生産されるクルマ1台1台に対して、このような事をするのは効率が悪いので、この検査を国の代わりに、各自動車メーカーが実施しているという状況です。

国の代わりに実施するという事なので、しっかりとした知識・経験を持った正規の『有資格者』が、検査をしなければなりません。

今回の日産のケースでは、『無資格者』が検査を実施してその車両を合格扱いにしていたということです。しかも、全ての日産工場でです。さらにいつからこの状態が続いていたのか分からないというありさまです。

日産の全工場での正規『有資格の検査員』は300人。その補助としての『無資格の検査員』が20人とのこと。割合としては少ないのですが、この20人の判断のもとで検査の合格が決まっていたケースが普通にあったとのことです。

さらに、無資格者が検査したとしても、有資格者のハンコを押して検査を通すという行為も常態化しており、これはまさに偽装工作であり、大問題と言えます。

何故なら、『国が定めた安全基準を国が定めた検査員が確認して合格しないと、クルマは公道を走る許可がもらえません』

国が定めた検査員以外でも合格にされてしまったわけでです。つまり、ルール上、本来公道を走っていはいけないクルマが公道を走っていることになります。


さすがにこの自体を重く見た日産は、すでにユーザーの手に渡った120万台をリコールすると発表しました。再度有資格者によっての確認がなされるのでしょう。

7年連続で、過去最高の販売台数を更新して、このところ絶好調でしたが、手痛い問題が表面化してしまいました。皮肉にも去年は、燃費偽装をしていた三菱自動車をグループに招き入れたばかりで、日産よおまえもか・・・。と言われても仕方なく、販売面でも影響が出てくるかもしれませんね。

私自身は、どちらかというと日産車には思い入れがありますので、まずは、しっかりと今回の対応をしていただき、なんとか挽回をして欲しいところです。


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